第24回日本Advanced Heart & Vascular Surgery/OPCAB研究会

会長挨拶

開催にあたり

第24回 日本Advanced Heart & Vascular Surgery / OPCAB研究会
会長 山口 裕己
昭和大学江東豊洲病院 循環器センター心臓血管外科 教授

 この度、2019年7月13日(土曜日)に第24回 日本Advanced Heart & Vascular Surgery/OPCAB研究会の会長を務めさせて頂くことになりました。会場は私が所属しております昭和大学江東豊洲病院にて開催させて頂きます。20年にわたり我が国におけるOPCABの普及のみならず心臓血管外科全体の発展に大きな貢献をしてきたこの研究会をさらに盛り立てることができるよう精一杯努めさせて頂きます。
 今回のテーマは“僧帽弁形成術を極める”といたしました。変性疾患に対する僧帽弁形成術の優位性は世界的にその地位を確立していますが、我が国の2015年のデータでは10142例の僧帽弁手術のうち僧帽弁形成術が6417例と弁形成率は63%に留まっています。まだまだ形成の可能性がある弁が人工弁に置換されている現状を示しています。以前は術者になるまで直接見ることはできなかった僧帽弁ですが今では誰でもその正確な形態を観察することができるようになりました。しかしながら逆流の再発・狭窄のない優れた形成術に必要な逆流のメカニズムの診断、正しい形成術のための戦略、評価のプロセスは映像を見るだけではわかりません。今回、この分野におけるトップリーダーの先生方を講師にお迎えしました。是非、この機会に議論を戦わせて頂き研究会でしか得ることができない僧帽弁形成術の極意を会得して頂ければと考えております。
 機能性僧帽弁閉鎖不全症に対しても我が国発の数多くのアイデアや工夫が報告されています。まだまだ多くのコントロバーシーがある分野ですが是非とも次世代のゴールドスタンダードを我が国から発信できればと考えています。特に心房性僧帽弁閉鎖不全症はその手術適応に始まり、逆流のメカニズムの解明、再発を生じさせない手術手技、同時に施行すべきか議論のあるメイズ手術、巨大左房に対する手技や三尖弁手術など多くの話題があります。循環器内科の先生方から最新の情報も教えて頂きながら一緒に議論したいと考えています。
 また、午後には若手の先生方を中心として、「後尖拡大術をマスターしよう!」と題してウェットラボを企画しました。実際に心膜を用いた後尖拡大術を行って頂きそのコツとピットホールをマスターして頂こうと考えています。多くの参加者の方に充実したプログラムになるよう鋭意準備を進めて参ります。
 築地より移転しました豊洲市場、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた競技場や選手村の建設そして高層マンションの増加など、発展めまぐるしいエリアに是非この機会に足を運んで頂けましたら幸いです。
 当日は多くの先生方にご参加頂き有意義な会になることを願っております。

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